アニメ「弱キャラ友崎くん(1期)」(原作:屋久ユウキ)

アニメ・マンガ レビュー

アニメ「弱キャラ友崎くん」について。2023年7月次点で、原作は既刊12巻(本編10巻、短編2巻)。またコミックス版は、本編全6巻、「七海みなみは輝きたい 弱キャラ友崎くん外伝」全3巻。

また、作中に出るキャラクター名の敬称は略して書きますのであしからず。

イントロダクション

第1期が2021年1月から放送された作品。第2期は2024年に放送予定。主人公「友崎文也(ともざきふみや)」は高校2年生。ゲーマー(ハンドル名:nanashi)の彼は、自身が「神ゲー」と思うオンライン対戦ゲーム「アタックファミリーズ(通称:アタファミ)」では日本ランク1位をキープし続ける実力と熱意を持っている。しかし、現実世界を「クソゲー」だと思っており、人生にやる気を感じず、クラスでは友人も無く孤立している。

そんな文也はある日、「アタファミ」ランク2位で、文也が「自分がアタファミで負ける可能性」を強く感じている「ハンドル名:NO NAME」とオフ会をする。その正体は、同じクラスの女子校生でスクールカースト上位の、容姿・学業・スポーツ・性格のすべてにおいて完璧な「日南葵(ひなみあおい)」だった。2人は、葵が「nanashi」正体が文也という事に失望を感じて口論になる。その結果、葵は「人生は神ゲー」であり、努力で改善できると主張し、文也に「人生の攻略」をすることを提案する。「やりもせずに否定するのは間違っている」と思った文也は、その提案を受け入れ、葵が「指南役」を務めることになる。

文也が葵と同じくらいの「リア充」になるコトを最終目標に、2人の不思議な師弟関係が幕を開けるが・・・。

アニメ「弱キャラ友崎くん」1期の感想

この感想には1部ネタバレを含みます。作品の面白さを損なわないように配慮してはいるつもりですが、少しでもネタバレが嫌な方は、感想を読まないことをオススメします。加えて、視聴後にテンションが上りまくった状態で書いているので、少し暴走気味な文章になるかも知れませんが、ご容赦下さい。

主人公「友崎文也」について。文也は根暗気味ではあるものの裏表が無く真っ直ぐで、とても好感度が高い性格をしている(まあ、それは私の好みの問題ですが)。文也の感じる戸惑いや苦手と感じる部分も共感できることが多く、自然と感情移入できるので、観ていて本当に楽しい。テンプレに沿って動くような違和感が無く、キチンとキャラが個性を持って行動している感じがするのも好印象。

パーフェクトヒロイン「日南葵」について。葵は「人生は努力によって攻略できる」と絶対の自信を持ち、それを実践し続け確実に成果をあげている。また、周囲の人の心情を読んで的確に対応でき、行動を誘導することすら可能なようだ。そして、文也へのアドバイスも恐ろしい位に鋭くて有効。これらの下地となる努力の積み上げも尋常では無い。文也が借りているICレコーダーに残っていた会話練習の跡や、早朝や部活後の自主練にしても異常な分量をこなしている(雨の中、1人でレインコート姿で走る姿もあったが、どう考えてもオーバーワーク。記録向上のためというより、自分を痛めつける自虐行為に思える。まるで深山で荒行を続ける修行僧のようで怖すぎる)。本当にどうかしてるよ・・・。ここまで有能過ぎると、好意や魅力というレベルを通り越して、化け物じみた怖さを感じてしまう。チートレベルの体力と精神力。こういう人って自分に厳しい分、近しい人にも、それ相応のレベルを要求する傾向があるので、親しく接するのはハードルが高そう。現に文也も凄く苦労しているし(彼はゲームで日本1位になる位の情熱や根性があるからこそ対応できてますが)。私は正直、リアルであんな人が居たら、できるだけ関わり合いを避けると思う・・・。それと、あれだけパーフェクトに人生を生きているのもかかわらず、(表面上はともかく、内心では)楽しそうじゃないのは凄く気になる。私は、そんな葵がハッピーになったら物語が終わるだろうと予想してますが、果たしてそうなるかどうか・・・。

努力について。葵は「大抵のことは努力で解決できる」と思っているようですが、私みたいな凡人以下の人にとって違う、悲しいことに違う、寂しいことに違う。大事なことなので3回繰り返しました。心や体が折れずに努力し続けることが出来るのもある種の才能というのが厳しい現実(少なくとも、私の経験上ではそうだった)。作中でも、葵に勝ちたいと願い努力していた「七海みなみ」は、心が折れて挫折しかかった。努力すれば、ある程度の向上は見込めるが、伸びるスピードも限界値も才能によって決まってしまう・・・。

葵と文也の師弟関係について。葵は文也に「七海の頑張りへの懸念」を口にしていました(その読みは現実になった)が、文也にはハードルの高めなノルマを課し続けている。それはきっと、葵が文也に対して「自分と同レベルの努力を継続できる能力がある」と思っているコトの現れではないでしょうか? その期待があるからこそ、文也が自分の指導に異を唱えた時、あれほど落胆し、関係を絶とうとしたように思えます。葵は自分と同じくらいに努力できる仲間を求めているのではないでしょうか? 2人が師弟関係を結ぶキッカケにとなった「オフ会」にしても、葵を超えるゲームの実力を持つ存在に対する仲間意識があったかもしれません。一見、葵にとって何のメリットも無いように思える師弟関係ですが、実は文也より葵の方が必要としているように思えます(文也に仲間になって欲しいという意味で。加えて、恋愛感情も多少はあるかどうかは読めない。その辺は微妙な気がするが・・・)。打ち合わせとはいえ、2人で頻繁に「お出かけ」しているのも、葵が望んでなければ成立しないだろうし。何とも不思議な関係です。

上記のような(見当違いも多そうな)感想や考察をダラダラとしてしまうのも、この作品が楽しいからこそです。二期の制作が決定していますが、是非とも視聴したいと思います。

推しキャラについて

私の推しは「菊池風香(きくちふうか)です。風香が語る「友崎くんの話って、頭の中に画が浮かぶからなんです」から始まる会話がとても印象的。本当にメチャクチャ良い子だよ。加えて、他の主要キャラは「リア充」揃いで、あの中から誰かを選択すると、必然的に「リア充の輪」の中に常時参加し続けることになる結果、場の空気に馴染めず疲れることが予想されるのも理由の1つ。

中でも、葵はパーフェクト過ぎて、私には絶対に無理。アニメ1期ではあまりに最強なキャラですが、原作では今後、葵の弱みが表面化するコトがあるのだろうか? こういう物語のお約束では、文也が成長して葵を攻略してハッピーエンドなんだろうけど、今作はいい意味で期待を裏切って欲しいとも思うのですが・・・。

Kindle電子書籍版の紹介

2023年7月次点で、原作は既刊12巻(本編10巻、短編2巻)。またコミックス版は、本編全6巻、「七海みなみは輝きたい 弱キャラ友崎くん外伝」全3巻。

弱キャラ友崎くん (全12巻) Kindle版

原作は7巻と10巻が短編集となっています。

弱キャラ友崎くん-COMIC- (全6巻) Kindle版

コミック版はアニメ1期と同じく、原作の3巻までを描いているようです。

七海みなみは輝きたい 弱キャラ友崎くん外伝 (全3巻) Kindle版

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