アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」について。原作は全17巻(本編全12巻、ifシリーズ全5巻)。またコミックス版は、本編全4巻、「俺の後輩がこんなに可愛いわけがない」全6巻、「あやせif」全3巻、「黒猫if」既刊3巻。公式アンソロジーコミックが1冊。4コマ公式アンソロジーが2冊(量が多いので、チェック漏れがあるかもしれませんが、あしからず)。
また、作中に出るキャラクター名の敬称は略して書きますのであしからず。
イントロダクション
第1期TV版が2010年10月から、第2期TV版が2013年4月から。主人公で高校生の兄「高坂京介(こうさかきょうすけ)」が中学生の妹「高坂桐乃(こうさかきりの)」の秘密にしていた「オタク趣味」を偶然知ったことから物語が始まる。それまで険悪だった兄妹は、秘密がバレた桐乃が京介に「相談」をするようになり、2人の関係性に大きな変化が起きる。京介が桐乃の相談を解決しようと奮闘することで交友関係が広がり、仲間との交流を通じて「京介の心境の変化」と「桐乃の秘めていた思い」が明らかになるが・・・。
アニメ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の感想
この感想にはネタバレを含みます。作品の重要な内容について踏み込んで書いてますので、ネタバレが嫌な方は、感想を読まないことをオススメします。加えて、視聴後にテンションが上りまくった状態で書いているので、少し暴走気味な文章になるかも知れませんが、ご容赦下さい。
作品で重要だと思われる要素について。私が今作を視聴して感じた作品全体のイメージは、「常識は大事だけど、それよりもっと大事なモノがある」や「好きは誰にも止められない」ということです。作中では「オタクコンテンツ」「オタク文化」についての「一般論」や「偏見」などを多く扱いつつ、「兄妹の恋愛」というテーマを描いています。社会常識から外れた行動を取ると、世間の目は冷たく厳しくなります。多くの人は「普通」という枠の方向へと軌道修正することで、周囲との軋轢を解消しようとします。しかし、人には時として「譲れない思い」がある。常識は大事だけど、それを壊してでも「守りたいモノ」があるというのが大きなテーマのように感じました。
恋愛観について。前置きとして、私のザックリとした恋愛観を説明すると、以前に「アニメ「クズの本懐」(原作:横槍メンゴ)」の感想にも書きましたが、「恋愛にルールも正解も存在しない」と考えています。兄妹で結婚は不可能ですが、それはあくまでも、子供を作ることによる生物学的リスクが高いからだと思います。そんな訳で、「兄妹の恋愛」を私は「あり」だと考えています(私自身には同性の兄が居ますが仲は最悪。これっぽっちも恋愛感情は無いので、あくまで仮定の話ですが)。 とは言えそうなってしまうと、周囲からの猛反発を受けて、自分達だけで無く周囲の人間関係にも大きな波風を立てる事になるでしょうが、そのリスクを承知の上で貫くなら止められないと思うからです。本編で最終的に、2人が恋愛感情を「押し殺す」か「心に秘めておく」か「行動に現す」かは、アニメと原作の描き方が違ったりで、人によって解釈の違いがあるようですが、少なくとも2人は、恋愛感情を押し殺す気が無く、恋愛感情を持ち続けることを選択したように感じました。ただ、京介と桐乃の意識のズレはあると思います。
京介と桐乃、2人の恋愛意識のズレについて。まず桐乃の恋愛感について。彼女は作中で何度も京介から離れようとし続けていますし、最後も「卒業まで期間限定の恋人になる。で、思いっきり楽しんで、卒業したら普通の兄妹に戻る」と提案していました。時に抑えられなくなっても、基本的に常識から逸脱するコトに耐えられません。それでも桐乃は京介への思いは捨てずに、心に秘めて持ち続けていました。その後、京介が「何でも言うことを聞く」という権利で「ほっぺにキス(アニメの場合)」しましたが、「良い訳あるか~!?」「エロゲーじゃ無いんだっつーの!?」と言いつつも「帰ったら人生相談だかんね!!」と、決して嫌がっている訳では無いんですよね。素直に本音を言えない性格を考えると、桐乃の言う「良い」「悪い」は表面上の行動としての話で、別に感情を否定していない。桐乃は表面上は恋愛感情を隠すが、心の中の恋愛感情は殺す気がないと考えられます。
そして京介の恋愛観について。彼は作中で常に桐乃の望みを叶えようと行動し続けました。その流れで行くと「普通の兄妹に戻る」という約束にOKしたのも分かります。その一方で京介は、桐乃以外の恋人を作る可能性を完全に断ち切っています。真っ直ぐな思いには真摯に答えようとする性格なのを考えると、告白を受けた相手にOKする可能性がある場合には、正直に「まだ答えが出ていない」とか「迷っている」とか「(桐乃との期間限定が終わるまで)待っていて欲しい」とか言うと思うんです。加えて、最後の「ほっぺにキス(アニメの場合)」という、兄妹ではまずやらない行動を取る。田村麻奈実との「最終対決」の時に言った「覚悟を決めるよ。1つを守る為に多くを失う覚悟をだ」との言葉も考えると、桐乃への恋愛感情を捨てる気はサラサラ無いと考えられますし、最悪、恋人関係を親に知られる覚悟すら出来ているのではないでしょうか? 桐乃が「普通の兄妹に戻る」ことを望む間は我慢しつつも、境界線ギリギリの行動は止めるつもりは無さそうですし、心の中では2人の関係をもっと進展したいと考えているでしょう。
私の勝手な未来への懸念点。おそらく、京介の意志は揺るがないでしょうが、桐乃につては不安要素があると思います。それは、桐乃が京介以外に恋愛感情を抱いたことが無い点と、まだ中学生だという点です。初恋には特別な思い入れのある人が多いのではないでしょうか? 加えて思春期の恋愛は、まるでその恋が「唯一無二の、自分のすべて」とすら錯覚するような面があるのでは? 桐乃は、そういう渦中に居る上に、経験があまりに少な過ぎます。自分の恋心が完全に冷めた経験も無ければ、複数の人を同時に好きになったコトも無い。今はそんな事はあり得ないでしょうが、この先もし、桐乃の感情に「揺れ」が発生した時にどうなってしまうのか、予測不可能です。 私は、2人の関係は、やっと次のスタートラインに立ったばかりだと考えています。実は、ここからが本当に面白くなるんだと思うんですよね・・・。桐乃と京介がこの先、どう進んで行くのか? 是非とも後日談を知りたいところです。とは言え、今後のストーリーからは「エロ成分」は欠かせなくなってくると思うので、「ラノベ」の粋をはみ出して「エロ小説」になっちゃうんだろうな・・・。
ダラダラと思うことを書き連ねてしまいましたが、とても楽しく視聴できて良い作品でした。
推しキャラについて
私の推しは、黒猫こと「五更瑠璃(ごこうるり)」です。私みたいにオタク気質のある人なら、迷うことは無いのでは? 趣味が合う・妹達の面倒見も良く家庭的・好きな人への献身度が高い・可愛い(えっ、ちっぱい? まったく気にならないですが何か?)。多少の「中二病気質」(嘘です、かなり重症)は、温かい目で見守れそうです。私が推しキャラで、ここまで悩まずスパッと決められる作品も珍しい。
ストーリー上、京介が桐乃を選ぶのは必然ですが、私にはツンばかり強すぎて、京介があそこまで執着するような魅力は感じられなかった。エロゲー好きな面は、物語の展開上、自然なことだと思うし、マイナス面だとは感じませんが。とは言え、プラス要素は「頑張り屋な面」位しか浮かんでこないんです。
Kindle電子書籍版の紹介(1部のみ)
2023年7月時点で、原作は全17巻(本編全12巻、ifシリーズ全5巻)。またコミックス版は、本編全4巻、「俺の後輩がこんなに可愛いわけがない」全6巻、「あやせif」全3巻、「黒猫if」既刊3巻。公式アンソロジーコミックが1冊。4コマ公式アンソロジーが2冊(量が多いので、チェック漏れがあるかもしれませんが、あしからず)。原作は冊数が多いので5巻まで紹介します。
俺の妹がこんなに可愛いわけがない (電撃文庫) Kindle版
俺の妹がこんなに可愛いわけがない(2) (電撃文庫) Kindle版
俺の妹がこんなに可愛いわけがない(3) (電撃文庫) Kindle版
俺の妹がこんなに可愛いわけがない(4) (電撃文庫) Kindle版
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