アニメ「終末なにしてますか？忙しいですか？救ってもらっていいですか？」（原作：屋久ユウキ）

2017年4月から放送されたアニメ「終末なにしてますか？忙しいですか？救ってもらっていいですか？」について。原作は全6巻（本編5巻、外伝1巻）、異伝「終末なにしてますか？異伝　リーリァ・アスプレイ」は全2巻。またコミックス版は全4巻。加えて、続編（5年後を描いた第二部）「終末なにしてますか？もう一度だけ、会えますか？」は全11巻。

また、作中に出るキャラクター名の敬称は略して書きますのであしからず。

イントロダクション
アニメ「終末なにしてますか？忙しいですか？救ってもらっていいですか？」の感想
作中の印象的な言葉
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イントロダクション

様々な種族が存在する異世界。かつて、強力な力を宿す聖剣「カリヨン」と、それを使いこなせる存在である「勇者」によって、他種族を圧倒していた人間族だったが、謎の「獣」の出現によって地上が蹂躙され、滅んでしまった世界。その一方、他種族は空に浮かぶ「浮遊島」に逃れることで生存していた。

その浮遊島の１つで、もと準勇者の青年「ヴィレム・クメシュ」と青い髪の少女「クトリ・ノタ・セニオリス」が出会った。２人で街を散策し、最後は夕暮れに見晴らしの良い建物にたどり着く。「いい思い出も出来たし、思い残すことはもう無いかな」と語るクトリ。そこに現れる兵士らしき姿。「時間切れ」と言うクトリは、最後に「私のことは、忘れてくれると嬉しいかな」と告げてその場を去った。

クトリと別れたヴィレムは、地上探索隊「サルベージャー」の友人「グリック」を訪ね、そこで、軍の兵器管理の仕事の依頼を受けた。その兵器倉庫がある島に向かったヴィレムは、クトリと再会することとなるが・・・。

アニメ「終末なにしてますか？忙しいですか？救ってもらっていいですか？」の感想

この感想には１部ネタバレを含みます。作品の面白さを損なわないように配慮してはいるつもりですが、少しでもネタバレが嫌な方は、感想を読まないことをオススメします。加えて、視聴後にテンションが上りまくった状態で書いているので、少し暴走気味な文章になるかも知れませんが、ご容赦下さい。

軍の特殊兵器について。ヴィレムが管理者として赴任した兵器倉庫には、大勢の少女達と、もう１人の管理者であるトロール族「ナイグラート」が住んでいた。少女達は「妖精（レプラカーン）」と呼ばれる存在だ。特殊な魔法により、失われた魂を依り代として生まれてくる妖精は、本来なら人間族の勇者にしか使えない「カリヨン」を使用可能であり、地上を支配する「獣」に対抗できる唯一の存在。しかしその代償として、力を使えば使うほど寿命が縮んでしまう。軍ではそんな妖精達を使い捨ての消耗品として扱っている・・・。

人間族でもと準勇者のヴィレムについて。500年ほど前、準勇者として戦っていたヴィレムは「カリヨン」の扱いに精通した人物で、神々との戦闘において一柱の神と相打ちになり呪いを受け、石化して眠っていた。サルベージャーのグリック達に発見されて500年ぶりに目覚めた彼は、人間族が滅んだことを知り、守ると約束していた大切な存在を全て失った事実に打ちのめされ、生きる希望を無くしていた。

生きる希望を無くしたヴィレムと、妖精の年長組で死期が目前に迫り不安を抱えるクトリ。そんな２人が出会うことで、ヴィレムは妖精という「護りたい大切な存在」を手に入れ、クトリはヴィレムに恋をすることで「前向きに生きる希望」を手に入れる。しかし、クトリに残された時間は確実に減っていく。ヴィレムは自分の持つ「カリヨン」の知識を駆使して、クトリの寿命を延ばすために全力で取り組むが・・・。

様々な出来事を通して気持ちが通い合い、お互いを大切に思うヴィレムとクトリに心が温まる物語。登場人物達の置かれている状況は辛く厳しいが、好感の持てるキャラばかりで不快感が無く、作品世界に素直に浸れて応援できる。特に最終話は、切なくも感動する展開を迎えて幕を閉じる。アニメは原作の途中（原作3巻まで）で終わっていますが、ストーリーは切りの良い所で終わっているので、尻切れトンボ感はありません。異世界ファンタジー物ですが、恋愛モノでもあると思うので、異世界モノが好きな人だけで無く、恋愛モノが好きな人にもオススメできる作品だと思います。個人的にかなり好きな作品です。できれば続編を含めて原作全てをアニメ化して欲しいです。

Amazon Prime Video 「終末なにしてますか？忙しいですか？救ってもらっていいですか？」

作中の印象的な言葉

第１話冒頭、赤い髪の少女が心の中でつぶやく言葉・・・。

「何時までも、一緒に居るよと誓った」「誓えたことが、幸せだった」「この人のことが、好きだなと思った」「思えたことが、幸せだった」「幸せにしてやるよと、言って貰えた」「言って貰えたことが、幸せだった」「こんなにも沢山の幸せを、あの人に分けて貰った」「だから、きっと、今の私は、誰が何と言おうと、世界一、幸せな女の子だ」

この言葉に、ヒロインの思いのすべてが集約されている。