記事の書かれたのが2015年と少し古いですが、日本のグラフィックカード流通の裏話についての記事で興味深い内容を見つけたので、備忘録的に残しておきたいと思いました。
アスク税の解説記事(2015年11月掲載)
4Gamer.netの2015年の記事、「アスク税」とは何か ~ゲーマーのためのグラフィックスカード流通事情講座
通常の流通価格より割高になってしまうという、PCパーツ販売代理店「アスク」の販売手法ですが、それが今でも日本で有効に機能し続けているのは、どうやら事実なようです。
一概に「割高になるから悪だ」とは言えないような状況もあるようで・・・私には良いとも悪いとも判断できませんが、どちらにせよ自作PC派の端くれである私としては、忘れないでおきたい知識の1つであることに間違いありません。
販売代理店が不要とは言い切れない事情の一端
私が、俗に言う「アスク税」を不要だと言えない理由としては、海外メーカーと日本の小売店を橋渡ししたり信頼を担保したりする等の役目も重要だと考えるからです。その一例として、別件ですが下記の動画リンクを貼っておきます。
YouTubeチャンネル清水貴裕、【告発】海外メーカーの闇を忖度なしに語ります。シミオシ製品への思いも。
この動画主の主張を聞いて、人によって思う所は色々あるでしょうが、私には「販売代理店が仲介することで販売価格が上がるのも仕方がない」と感じられました。代理店によっても違うでしょうが、こうやって日本の消費者が不利益を被らないために販売代理店が尽力しているケースもあるのではないでしょうか?(と言っても、アスクの企業ポリシーがどうなのかは知りませんが・・・)
アクス税が乗りやすい時期
アスク税が乗りやすいのは、新型GPUが発売された後の時期のようです。
販売開始時は、アスク以外の販売代理店の方が販売価格が安い傾向があるから、必然的にそちらから売れていく。しかし、そうした商品は流通量が少ないから、結果として主に流通しているのはアスク税の乗っかった商品だけになるという構図らしい。
アスク税を避けるには
アスク税を避ける方法ですが、新製品の発売直後なら、流通数の少ない「その他販売代理店」の商品をリサーチして売り切れる前にゲットする。それ以外なら、発売から時間が経って、NVIDIAやAMDが価格改定(値下げ)をするまで待つか(この場合、アスク取り扱い品も値下げされる)、ドスパラなどの「その他販売代理店」の流通が少しでも多めの店舗の在庫状況をマメにチェックして、数少ないお得品が入荷したタイミングを逃さず購入するといった方法になるでしょう。
加えてAmazonで「グラフィックボード」で検索すると、タイムセール品などのお得な商品を見つけられる場合もあるかもしれません。また人によっては「楽天市場」や「Yahooショッピング」等の「経済圏」セールを使えば安く買える場合もあるかもしれませんが、私は「経済圏」には詳しくないのでグラフィックカードがお得に買えるタイミングは知りません・・・。
「米amazon」のアメリカ販売サイトから直接購入すればアスク税はありませんが、送料や輸入手数料(関税?)などが加算されることや、個人輸入というのは商品サポートが受け難いこと(米amazonが直接販売している製品を購入した場合は初期不良の対応をしてくれるとのブログ記事を見たことはありますが、私自身が個人輸入した経験はありませんので詳細は不明です)、加えて最近の商品単価が高騰している事情も考慮するとリスクが高い感じがします。
かといって、中古購入を検討するには時期が悪い
「新品が高いから、中古品を探して購入しよう」と考える人も居るでしょうが、ここ数年(2022年)は時期が悪いのでオススメできません。
それというのも、数年前に「マイニング」が盛んになり、グラフィックカードが極度の品薄になる程の大ブームになりましたが、2022年にマイニングの利益が急速に悪化してブームが終わり、グラフィックカードを処分しようとする人が増えました。
「中古の在庫が増えるなら安くお買い得になるのでは?」と考える人も居るでしょうが、マイニングで使用されたグラフィックカードは酷使されているケースが多いので、製品が劣化している可能性が高くなります。安く買えたとしても、すぐに壊れてしまっては意味がありません。
ここ数年(2022年前半までの数年間)に発売されたグラフィックカードの中古を購入するのはリスキーです。
安さか購入し易さか
結局、グラフィックカードを購入する時は、十分なリサーチや手間をかけるか、たまたま安く入荷したタイミングに出くわす等の運に恵まれないと、安く手に入らないないようです。
多くの人にとっては、アスク税が乗っている商品を買うのが当たり前というのが実状・・・。
私としてはネタ的にも「米Amazonからのグラフィックカード購入」にチャレンジしたい!! ぜひやってみたい。でも、最新GPUに買い替えるとなると、今のマザーボードとCPUではスペック不足なので、PCをまるごと買い替える必要があります。貧乏な私には、そんな余裕はまったく無い・・・。いつの日か、実現できるように頑張りたいです。
蛇足情報1:最新GPUを買うにはハードル高過ぎ
2022年の後半から2023年の前半にかけて、NVIDIA・AMD・Intelから最新のGPUが発表されました。しかしIntelは久々にGPU市場に戻ってきたばかりで、まだまだメインで使うには厳しい現状。またNVIDIA・AMDの製品はハイエンド中心で、ミッドレンジの最安品ですら約10万円。一般ユーザーが買うにはあまりに高過ぎます。私のようなローエンドの低額商品しか買えない貧乏人には、とても手が出ません。
今までならローエンドの製品もハイエンド品の後に遅れて発表されていましたが、どうやら最新GPUに関しては製造プロセスの関係でコストを下げるのが難しいらしく、NVIDIAはローエンド品は前世代の製品を継続販売するとのコト。最新世代GPUのローエンド品は、しばらく発売されない可能性が高くなってきています。(AMDのローエンド品は可能性ありか?) かといって(マイニングブームが去って価格が安定したとはいえ)それほど安くもない前世代品を、いまさら新品で買うのは微妙な気がします・・・。
NVIDIAが最新GPUのローエンド品を出す気がなさそうという根拠の1つに、NVIDIAは「GPGPU」の分野で好調というコトがあります。利益率の低い低価格帯の商品を頑張って売らなくても、高額な商品だけで十分に利益が出ていそうだからです。(あくまでも私の勝手な予想でしかありませんが・・・この予想は大外れでした)。もし期待するならAMDでしょう。頑張れAMD!!
ImpressのPC Watchの記事、ためになる3Dグラフィックスの歴史(6)。AI技術の進化にGPGPUがもてはやされる背景
ITmedia NEWSの記事、イーロン・マスク氏、生成AI用に約1万個のGPUを購入か AI開発の停止要請に署名したばかり
「蛇足情報1」の読みが大外れ
2023年05月18日(米国時間)、NVIDIAが「GeForce RTX 4060シリーズ」を発表しました。私はローエンド機種はもうしばらく発売されないと予想していましたが、見事に大外れとなりました。
ITmedia PC USERの記事、ついに手が届く価格帯に!? 「GeForce RTX 4060シリーズ」登場 4060 Ti(8GB)は6万9800円から
PC Watchの記事、GeForce RTX 4060は299ドルで7月発売
1番安い「GeForce RTX 4060」が299ドルからとなっており、日本で発売される場合には6万円前後で購入できそうな価格となりました。最新の「Ada Lovelaceアーキテクチャ」を採用しているので、売りである新機能に対応しつつ、値段を抑えた商品となります。
予想は外してしまいましたが、ローエンドモデルを出してくれるのは有り難いので、むしろ良かったです。後はAMDにも頑張ってもらって、対抗製品を更にコスパの良い値段で出して欲しいところです。
AMDが「Radeon RX 7600」シリーズを発表
2023年05月24日、AMDが「Radeon RX 7600」シリーズを発表を発表しました。
ITmedia PC USERの記事、現実のゲームユーザーにロックオン! AMDの「Radeon RX 7600」はフルHDゲーミングに最適? 徹底的に試して得た結論
PC Watchの記事、269ドルのミドルレンジGPU「Radeon RX 7600」登場。その実力を試す
AMDも「1920×1080ドットのフルHD」にフォーカスしてきました。値段はいつも通り、NVIDIAの対抗製品である「GeForce RTX 4060シリーズ」より少し安い価格に設定しているようです。
AMDのGPUはゲーム機に多く採用されているので、昔より最適化への不安は減少しているのではないでしょうか? また電源コネクタは「PCIe 8ピン×1」でOKなのが有り難い。今後の値動き次第では、有力な選択肢になりそうです。
蛇足情報2:最新GPUは電源仕様も大切
NVIDIAの最新GPUには「12VHPWR」規格(後日、安全性を向上させるため「12V-2×6」にアップデートされました)の電源コネクタで電力供給する必要があります。しかし、まだ新しい規格なので対応製品は少ない。今のところ「12VHPWR」が必要な商品は、「PCI Express 8ピンコネクタ」を複数束ねて接続することで「12VHPWR」に変換するアダプタが付属しているようですが、変換コネクタを使用すると、電源が供給可能な電力量を通知する「サイドバンド信号」という仕組みが利用できないとのコト。その何が問題かというと、安全面に不安が出るのです。
AKIBA PC Hotline!の記事、パワレポ連動企画 次世代仕様12VHPWRに注目集まる!大きく変化する最新電源事情【PCパーツ100選 電源ユニット編】
12VHPWRでは電源が出力可能な電力をビデオカード側に通知する4ピンの「サイドバンド信号」を用意しているが、変換ケーブルや変換アダプタではこれを利用できない。電源付属の変換ケーブル以外の場合はユーザーが自ら安全性に気を配る必要がある。
12VHPWRは流れる電流量が大きく、大電流は損失が増えやすい。損失は熱へと変換される。コネクタ端子の接触が悪かったり、ケーブルに応力がかかったりすると、その部分が発熱し、焼損して炎上することもある。実際に12VHPWRの焼損事故が報告されている。
AKIBA PC Hotline!の記事、パワレポ連動企画 次世代仕様12VHPWRに注目集まる!大きく変化する最新電源事情【PCパーツ100選 電源ユニット編】
最新GPUの購入を検討する時は、電源ユニットの買い替えも考える必要がありそうです。
今、PC電源を購入するなら「ASRock」がオススメ
2024年後半から2025年初めにかけて、NVIDIA・AMD・Intel各社の最新GPUの発表がありました。中でも、NVIDIAのハイエンドGPUである「GeForce RTX 5090」は、消費電力の高さにまつわる補助電源ケーブル周りのトラブル騒ぎのあった、前世代「GeForce RTX 4090」の消費電力450Wよりも更に電力が増加しています。NVIDIAの公式スペックでは「GeForce RTX 5090」の消費電力(TGP)は575Wですが、瞬間的には600W超となる場合もあるとか!?
そんなNVIDIAのGPU購入を検討される方には、「ASRock」がこれから発売する予定のPC電源である「Taichi」と「Phantom Gaming」の上位2シリーズがオススメです。その詳しい理由が知りたい方は、下記の「ASRock Japan YouTubeチャンネル」にて紹介動画がUPされているので、ご覧下さい。
ASRock Japan YouTubeチャンネル、ASRock Japan生配信#84【ASRock電源ユニット紹介】
上記動画を見れば分かりますが、PC電源は「NVIDIA」のGPU補助電源「12V-2×6」規格に対応(1世代前の「12VHPWR」との互換性あり)するだけでなく、その補助電源ケーブルの温度管理が重要になります(最悪、発火事故もありえる)。「ASRock」のPC電源「Taichi」「Phantom Gaming」シリーズでは、ケーブルに温度センサーが内蔵(電源本体には温度センサー専用コネクタあり)されていて、温度異常が感知された場合には、自動で電源がシャットダウンする安全装置が実装されています(他の下位シリーズには温度センサーはありませんが、ケーブルは耐久性の高い良質な物を採用しているとのこと)。
Amazonで「ASRock PC 電源」で検索これら2シリーズは、2025年1月26日現在、まだ日本では発売されていません。Amazonで「ASRock PC 電源」で検索すると、現状では「Steel Legend」だけが表示されます。もうしばらく待てば発売されるとの話なので、ハイエンドGPUの購入を検討中の方は要チェックです。
2025年2月7日追記。「ASRock」のPC電源「Taichi」「Phantom Gaming」シリーズは2025年2月14日から発売されるようです。
ITmedia PC USERの記事、ASRock、コネクター温度検知機能も備えたATX 3.1対応電源ユニット7製品
台湾ASRockは2月7日、ATX 3.1に対応したATX電源ユニット計7製品を発表、2月14日に販売を開始する。
- 中略 -
Taichi/Phantom Gamingシリーズには、コネクターの温度をリアルタイムで監視するNTCセンサーを搭載、低負荷~中負荷時にファン回転を停止できるファンコントロール機能のiCOOLも利用可能だ。
現時点でゲームをするならPS5が高コスパだが
最新GPU購入のハードルが高い状況が続くとなると、現時点(2023年2月)で普通にゲームをしたいだけならPS5を買った方が圧倒的にコスパが良い(PS5値上げで事情が変わって来ました)のですが、そのPS5にしても、今は微妙な時期かもしれません。流通量こそ改善して、抽選でなくとも普通に購入できるようになってきましたが、もうすぐ新型PS5が発売されるとの噂があります(ディスクドライブ外付け型の製品を秋頃に発売するという噂をネット上で目にしましたが、確定情報では無いらしい・・・)。すでに今の製品も内部構造的には第2世代へ移行しているらしいですが、ハードはより新しい方が利点が多いのが一般的ですし、待った方が良いような気がします。
今までPS5を購入していない人なら、直ぐに欲しいと考えている人は少ないでしょう。しばらくは様子見を続ける方が無難ではないでしょうか?
新型PS5が発表
2023年10月11日、新型PS5が発表されました。事前の噂通り、「Ultra HD Blu-rayディスクドライブ」が着脱可能になり、ドライブ無しの「PS5デジタル・エディション」を購入した場合でも、ドライブを単体購入して後付けすることが可能なようです(ただし、ドライブを単品購入すると割高になる)。内蔵ストレージ(NVMe SSD)は、現行の825GBから1TBに増量(ユーザーが使用可能な容量は、これより少なくなる)。加えて、本体が少しだけ小型軽量化されました。また、PS5の現行モデルは在庫限りで販売終了するようです。
Impress Watchの記事、新型PS5、11月10日発売 30%小型化、UHD BDドライブ着脱
4gamer.netの記事、軽量化した新型PS5が11月10日発売へ。ディスクドライブ搭載版が6万6980円,デジタル・エディションが5万9980円
普通にゲームがプレイしたいだけの人なら、この新型PS5は魅力的な商品ではないでしょうか? ただ、CPUなどの基本性能に変更が無い点は要必要です。旧型のPS5を購入済みの人が買い替えて満足できるホドの変化は乏しく、あくまでマイナーチェンジの範囲だと思います。
PlayStation 5(CFI-2000A01) PlayStation 5 デジタル・エディション(CFI-2000B01)蛇足かもしれませんが本体には「縦置きスタンド」は付属していないので、縦置きしたい場合は別途購入する必要があります。無くても縦置きは可能なようですが、スタンドがあった方が安定性が良くなります。
【純正品】縦置きスタンド(CFI-ZVS1P)純正品スタンドのデザインは俊逸ですが高額なので、サードパーティ製品をアレコレ探してみても良いかもしれません。
PS5の値上げ発表。コスパ大幅低下・・・
2024年08月27日、ついに「PS5 Pro」の発表か?と思ったら値上げの発表(2024年09月02日からの予定)。二重の意味で落胆の声をネット上で多く目にしました。
GAME Watchの記事、PS5の値上げが発表。全モデル7万円超えに
同時に周辺機器も軒並み値上げ。ちなみに、値上げは現時点で日本国内だけ。おそらく最近の円安の影響が大きいと思われますが・・・。ソニーさんは日本市場のニーズは減っても問題ないとの考えなのだろうか?
「モンスターハンターワイルズ」用GPU選びに関する記事
2025年2月28日に発売予定の「モンスターハンターワイルズ」ですが、要求スペックが高めとのアナウンスがあり、それにあわせてパソコン環境アップグレードを計画している人も多いと思います。そんな人に参考になりそうな記事を目にしたので、リンクを貼っておきます。
ITmedia PC USERの記事、「こんなハズでは……」 理論性能は良いのにベンチマークスコアが奮わない? 「モンスターハンターワイルズ」にピッタリなGPUの選び方
記事で興味深かったのは、要求スペックの高さから「PS5でも不満なく遊べるのか?」という不安を解消するような解説もあった点。以下に内容の1部を抜粋します。
もしかすると、Radeon RX 7600はメモリの帯域不足のせいで22TFLOPSの性能を生かし切れていないかもしれない。逆にいえば、PS5やPS5 Proはグラフィックスメモリへのアクセスが高速なおかげで、性能を極限まで引き出せているということなのだろう。
PS5 Proは、Radeon RX 7600のほぼ2倍のメモリ帯域幅を確保している。これは、PC向けの超ハイエンドGPU級だ。Proの付かないPS5でも、グラフィックスメモリの帯域幅は毎秒448GBとなっており、Radeon RX 7600はその64%分の幅しかない。
PS5が、GPUコアの処理能力が同じ位の「Radeon RX 7600」よりも上の画質プリセットが選択できる秘密は「グラフィックスメモリの帯域幅」にあるとの内容で、PS5はゲーム専用機として設計を最適化することで、GPUコアの性能を上手に引き出しているようです。
2025年2月25日追記。上記の続きとなる記事がUPされました。
ITmedia PC USERの記事、「モンスターハンターワイルズ」を快適にプレイしたい! 2025年のゲームタイトルを快適にプレイするためのグラフィックスカード選び
記事でピックアップしているGPUですが、残念ながら多くの製品が「現在売り切れ中」または品薄からの「販売価格が高騰中」となっています。かろうじて下位クラスの製品なら購入可能ですが、それなら「PS5」や「PS5 Pro」を買った方が良いかもしれません・・・。
Amazonで「グラフィックボード」で検索 PlayStation 5(CFI-2000A01) PlayStation 5 Pro(CFI-7000B01)GPUが高騰中の状態では「PS5 Pro」がお買い得に見えてくるのが恐ろしい・・・。スマホも含む最先端のコンピューター技術が微細化の理論的限界値に限りなく近づいている昨今、一昔前のように「新しい電子機器が高性能かつ安価で登場する」という好循環は難しくなったようです。
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