記事の書かれたのが2015年と少し古いですが、日本のグラフィックカード流通の裏話についての記事で興味深い内容を見つけたので、備忘録的に残しておきたいと思いました。
アスク税の解説記事(2015年11月掲載)
4Gamer.netの2015年の記事、「アスク税」とは何か ~ゲーマーのためのグラフィックスカード流通事情講座
通常の流通価格より割高になってしまうという、PCパーツ販売代理店「アスク」の販売手法ですが、それが今でも日本で有効に機能し続けているのは、どうやら事実なようです。
一概に「割高になるから悪だ」とは言えないような状況もあるようで・・・私には良いとも悪いとも判断できませんが、どちらにせよ自作PC派の端くれである私としては、忘れないでおきたい知識の1つであることに間違いありません。
アクス税が乗りやすい時期
アスク税が乗りやすいのは、新型GPUが発売された後の時期のようです。
販売開始時は、アスク以外の販売代理店の方が販売価格が安い傾向があるから、必然的にそちらから売れていく。しかし、そうした商品は流通量が少ないから、結果として主に流通しているのはアスク税の乗っかった商品だけになるという構図らしい。
アスク税を避けるには
アスク税を避ける方法ですが、新製品の発売直後なら、流通数の少ない「その他販売代理店」の商品をリサーチして売り切れる前にゲットする。それ以外なら、発売から時間が経って、NVIDIAやAMDが価格改定(値下げ)をするまで待つか(この場合、アスク取り扱い品も値下げされる)、ドスパラなどの「その他販売代理店」の流通が少しでも多めの店舗の在庫状況をマメにチェックして、数少ないお得品が入荷したタイミングを逃さず購入するといった方法になるでしょう。
加えてAmazonで「グラフィックボード」で検索すると、タイムセール品などのお得な商品を見つけられる場合もあるかもしれません。また人によっては「楽天市場」や「Yahooショッピング」等の「経済圏」セールを使えば安く買える場合もあるかもしれませんが、私は「経済圏」には詳しくないのでグラフィックカードがお得に買えるタイミングは知りません・・・。
「米amazon」のアメリカ販売サイトから直接購入すればアスク税はありませんが、送料や輸入手数料(関税?)などが加算されることや、個人輸入というのは商品サポートが受け難いこと(米amazonが直接販売している製品を購入した場合は初期不良の対応をしてくれるとのブログ記事を見たことはありますが、私自身が個人輸入した経験はありませんので詳細は不明です)、加えて最近の商品単価が高騰している事情も考慮するとリスクが高い感じがします。
かといって、中古購入を検討するには時期が悪い
「新品が高いから、中古品を探して購入しよう」と考える人も居るでしょうが、ここ数年は時期が悪いのでオススメできません。
それというのも、数年前に「マイニング」が盛んになり、グラフィックカードが極度の品薄になる程の大ブームになりましたが、2022年にマイニングの利益が急速に悪化してブームが終わり、グラフィックカードを処分しようとする人が増えました。
「中古の在庫が増えるなら安くお買い得になるのでは?」と考える人も居るでしょうが、マイニングで使用されたグラフィックカードは酷使されているケースが多いので、製品が劣化している可能性が高くなります。安く買えたとしても、すぐに壊れてしまっては意味がありません。
ここ数年(2022年前半までの数年間)に発売されたグラフィックカードの中古を購入するのはリスキーです。
安さか購入し易さか
結局、グラフィックカードを購入する時は、十分なリサーチや手間をかけるか、たまたま安く入荷したタイミングに出くわす等の運に恵まれないと、安く手に入らないないようです。
多くの人にとっては、アスク税が乗っている商品を買うのが当たり前というのが実状・・・。
私としてはネタ的にも「米Amazonからのグラフィックカード購入」にチャレンジしたい!! ぜひやってみたい。でも、最新GPUに買い替えるとなると、今のマザーボードとCPUではスペック不足なので、PCをまるごと買い替える必要があります。貧乏な私には、そんな余裕はまったく無い・・・。いつの日か、実現できるように頑張りたいです。
蛇足情報1:最新GPUを買うにはハードル高過ぎ
2022年の後半から2023年の前半にかけて、NVIDIA・AMD・Intelから最新のGPUが発表されました。しかしIntelは久々にGPU市場に戻ってきたばかりで、まだまだメインで使うには厳しい現状。またNVIDIA・AMDの製品はハイエンド中心で、ミッドレンジの最安品ですら約10万円。一般ユーザーが買うにはあまりに高過ぎます。私のようなローエンドの低額商品しか買えない貧乏人には、とても手が出ません。
今までならローエンドの製品もハイエンド品の後に遅れて発表されていましたが、どうやら最新GPUに関しては製造プロセスの関係でコストを下げるのが難しいらしく、NVIDIAはローエンド品は前世代の製品を継続販売するとのコト。最新世代GPUのローエンド品は、しばらく発売されない可能性が高くなってきています。(AMDのローエンド品は可能性ありか?) かといって(マイニングブームが去って価格が安定したとはいえ)それほど安くもない前世代品を、いまさら新品で買うのは微妙な気がします・・・。
NVIDIAが最新GPUのローエンド品を出す気がなさそうという根拠の1つに、NVIDIAは「GPGPU」の分野で好調というコトがあります。利益率の低い低価格帯の商品を頑張って売らなくても、高額な商品だけで十分に利益が出ていそうだからです。(あくまでも私の勝手な予想でしかありませんが・・・この予想は大外れでした)。もし期待するならAMDでしょう。頑張れAMD!!
ImpressのPC Watchの記事、ためになる3Dグラフィックスの歴史(6)。AI技術の進化にGPGPUがもてはやされる背景
ITmedia NEWSの記事、イーロン・マスク氏、生成AI用に約1万個のGPUを購入か AI開発の停止要請に署名したばかり
「蛇足情報1」の読みが大外れ
2023年05月18日(米国時間)、NVIDIAが「GeForce RTX 4060シリーズ」を発表しました。私はローエンド機種はもうしばらく発売されないと予想していましたが、見事に大外れとなりました。
ITmedia PC USERの記事、ついに手が届く価格帯に!? 「GeForce RTX 4060シリーズ」登場 4060 Ti(8GB)は6万9800円から
PC Watchの記事、GeForce RTX 4060は299ドルで7月発売
1番安い「GeForce RTX 4060」が299ドルからとなっており、日本で発売される場合には6万円前後で購入できそうな価格となりました。最新の「Ada Lovelaceアーキテクチャ」を採用しているので、売りである新機能に対応しつつ、値段を抑えた商品となります。
予想は外してしまいましたが、ローエンドモデルを出してくれるのは有り難いので、むしろ良かったです。後はAMDにも頑張ってもらって、対抗製品を更にコスパの良い値段で出して欲しいところです。
AMDが「Radeon RX 7600」シリーズを発表
2023年05月24日、AMDが「Radeon RX 7600」シリーズを発表を発表しました。
ITmedia PC USERの記事、現実のゲームユーザーにロックオン! AMDの「Radeon RX 7600」はフルHDゲーミングに最適? 徹底的に試して得た結論
PC Watchの記事、269ドルのミドルレンジGPU「Radeon RX 7600」登場。その実力を試す
AMDも「1920×1080ドットのフルHD」にフォーカスしてきました。値段はいつも通り、NVIDIAの対抗製品である「GeForce RTX 4060シリーズ」より少し安い価格に設定しているようです。
AMDのGPUはゲーム機に多く採用されているので、昔より最適化への不安は減少しているのではないでしょうか? また電源コネクタは「PCIe 8ピン×1」でOKなのが有り難い。今後の値動き次第では、有力な選択肢になりそうです。
蛇足情報2:最新GPUは電源仕様も大切
NVIDIAの最新GPUには「12VHPWR」規格の電源コネクタで電力供給する必要があります。しかし、まだ新しい規格なので対応製品は少ない。今のところ「12VHPWR」が必要な商品は、「PCI Express 8ピンコネクタ」を複数束ねて接続することで「12VHPWR」に変換するアダプタが付属しているようですが、変換コネクタを使用すると、電源が供給可能な電力量を通知する「サイドバンド信号」という仕組みが利用できないとのコト。その何が問題かというと、安全面に不安が出るのです。
AKIBA PC Hotline!の記事、パワレポ連動企画 次世代仕様12VHPWRに注目集まる!大きく変化する最新電源事情【PCパーツ100選 電源ユニット編】
12VHPWRでは電源が出力可能な電力をビデオカード側に通知する4ピンの「サイドバンド信号」を用意しているが、変換ケーブルや変換アダプタではこれを利用できない。電源付属の変換ケーブル以外の場合はユーザーが自ら安全性に気を配る必要がある。
12VHPWRは流れる電流量が大きく、大電流は損失が増えやすい。損失は熱へと変換される。コネクタ端子の接触が悪かったり、ケーブルに応力がかかったりすると、その部分が発熱し、焼損して炎上することもある。実際に12VHPWRの焼損事故が報告されている。
AKIBA PC Hotline!の記事、パワレポ連動企画 次世代仕様12VHPWRに注目集まる!大きく変化する最新電源事情【PCパーツ100選 電源ユニット編】
最新GPUの購入を検討する時は、電源ユニットの買い替えも考える必要がありそうです。
現時点でゲームをするならPS5が高コスパだが
最新GPU購入のハードルが高い状況が続くとなると、現時点(2023年2月)で普通にゲームをしたいだけならPS5を買った方が圧倒的にコスパが良い(PS5値上げで事情が変わって来ました)のですが、そのPS5にしても、今は微妙な時期かもしれません。流通量こそ改善して、抽選でなくとも普通に購入できるようになってきましたが、もうすぐ新型PS5が発売されるとの噂があります(ディスクドライブ外付け型の製品を秋頃に発売するという噂をネット上で目にしましたが、確定情報では無いらしい・・・)。すでに今の製品も内部構造的には第2世代へ移行しているらしいですが、ハードはより新しい方が利点が多いのが一般的ですし、待った方が良いような気がします。
今までPS5を購入していない人なら、直ぐに欲しいと考えている人は少ないでしょう。しばらくは様子見を続ける方が無難ではないでしょうか?
新型PS5が発表
2023年10月11日、新型PS5が発表されました。事前の噂通り、「Ultra HD Blu-rayディスクドライブ」が着脱可能になり、ドライブ無しの「PS5デジタル・エディション」を購入した場合でも、ドライブを単体購入して後付けすることが可能なようです(ただし、ドライブを単品購入すると割高になる)。内蔵ストレージ(NVMe SSD)は、現行の825GBから1TBに増量(ユーザーが使用可能な容量は、これより少なくなる)。加えて、本体が少しだけ小型軽量化されました。また、PS5の現行モデルは在庫限りで販売終了するようです。
Impress Watchの記事、新型PS5、11月10日発売 30%小型化、UHD BDドライブ着脱
4gamer.netの記事、軽量化した新型PS5が11月10日発売へ。ディスクドライブ搭載版が6万6980円,デジタル・エディションが5万9980円
普通にゲームがプレイしたいだけの人なら、この新型PS5は魅力的な商品ではないでしょうか? ただ、CPUなどの基本性能に変更が無い点は要必要です。旧型のPS5を購入済みの人が買い替えて満足できるホドの変化は乏しく、あくまでマイナーチェンジの範囲だと思います。
PlayStation 5(CFI-2000A01) PlayStation 5 デジタル・エディション(CFI-2000B01)蛇足かもしれませんが本体には「縦置きスタンド」は付属していないので、縦置きしたい場合は別途購入する必要があります。無くても縦置きは可能なようですが、スタンドがあった方が安定性が良くなります。
【純正品】縦置きスタンド(CFI-ZVS1P)純正品スタンドはデザインは俊逸ですが高額なので、サードパーティ製品をアレコレ探してみても良いかもしれません。
PS5の値上げ発表。コスパ大幅低下・・・
2024年08月27日、ついに「PS5 Pro」の発表か?と思ったら値上げの発表(2024年09月02日からの予定)。二重の意味で落胆の声をネット上で多く目にしました。
GAME Watchの記事、PS5の値上げが発表。全モデル7万円超えに
同時に周辺機器も軒並み値上げ。ちなみに、値上げは現時点で日本国内だけ。おそらく最近の円安の影響が大きいと思われますが・・・。ソニーさんは日本市場のニーズは減っても問題ないとの考えなのだろうか?
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