自作PC覚書2025年05月

PC・スマホ
UnsplashMichael Bairdが撮影した写真

現在の自作PC界隈について、2025年05月版。PC関連につて私が感じていること等を備忘録として記録します。あくまで自身が情報収集した範囲での私見ですので、認識に間違いを含む可能性があります。

CPUの過去と現状

CPU黎明期は様々なメーカーがそれぞれ独自技術を開発して競争していましたが、現在では淘汰が進み、デスクトップ・ノートPC市場では、「Intel」と「AMD」と「Apple」の3社が残りました。そんな中、スマホ市場で高いシェアを得ている「Qualcomm」も、スマホ向けCPU「Snapdragon」を改良してPC市場の開拓に乗り出していますが、ソフトの互換性対応が進んでいない(ソフトはエミュレーションベースで動くものの、その分パフォーマンスが悪い)現状では苦戦している模様。

3大メーカーの状況。ハードからOSやソフトまで独自のエコシステムを築いてブランド化に成功した「Apple」。「Microsoft」の「Windows OS」と共に普及して大きなシェアを獲得した、CPUとGPUの設計と製造を行う「Intel」。そして「Intel」の開発する「x86アーキテクチャ」のパクリから出発し・・・ゲフン、その後「クロスライセンス契約」を結んで、複数存在した「x86互換」勢の中で生き残った、CPUとGPUの設計に特化した「AMD」。大きなシェアを誇る「Intel」と、一定の層から強い支持を集める「Apple」、「Intel」に対抗しつつも共存共栄している「AMD」といった感じでしょう・・・。

CPU業界には「ムーアの法則」という言葉があり、大雑把に言うと「半導体の集積度(性能)は2年ごとに2倍になる」といった感じ。事実、今までほぼその通りのスピードで微細化が進んでいましたが、2020年代に入ってから状況に大きな変化が起こる。現状、半導体の微細化が限りなく理論上の限界近くまで発展してしまい、単純に集積度を高めるのが難しくなり、CPU性能を高めることが困難に。その結果、それまでの常識だった「年々、CPU性能が向上して省電力と低コスト化が進んでいく」という好循環に陰りが見えるように・・・。その結果、パソコンやスマホの新製品価格が高止まりして、庶民には手が届かないようになってしまう。

製造技術の微細化に苦しむ「Intel」。最近、「Intel」の不調が目立つようになって来た。その1番の原因と思われるのが、CPU製造における強力なライバルの出現。台湾に本社がある「TSMC」はCPU製造に特化した会社で、「Intel」が数年前から微細化の壁に突き当たり苦しんでいる間も順調に技術革新を進め製造シェアをほぼ独占し、一人勝ち状態に急成長。「Intel」は微細化が上手く行かないのをカバーしようと無理な性能アップに走ってCPUの過度の発熱による製品寿命の低下などの悪評を招いてしまう。ついには「Intel」も自社で設計した最新CPUの製造を「TSMC」に委託するように・・・。そんな逆風の状況だが、ここに来て最新鋭となる「18A」技術の製造ラインが今年末頃から本稼働する予定になっており、歩留まりが計画通りに向上すれば逆転の大きな1歩となる。果たして上手く行くのか?

PC Watchの記事、Intelの半導体製造、技術的なリードは復活する?

上記の記事によると、2025年4月末時点では「Intel 18A」計画は順調に進行中のようです。莫大な投資を行った計画だけに、このプロジェクトの成否が「Intel」の今後を左右する大きな分岐点となるのは間違いありません。

漁夫の利を得る「AMD」。一昔前は「安さが売り」というイメージでしたが、2017年頃に発表した「Zenマイクロアーキテクチャ」CPUの「Ryzenプロセッサ」により、状況が好転するようになる。「Ryzen」ベースで開発され進歩するCPUの性能は良好で徐々に支持されるようになり、「Intel」の評判が悪くなるに従い相対的な評価がどんどん大きくなる。製造を「TSMC」に委託して、最先端の製造技術をいち早く製品に投入できることもラッキーだったと思われる。

GPUの過去と現状

GPU黎明期は様々なメーカーがそれぞれ独自技術を開発して競争していましたが、現在では淘汰が進み、デスクトップ・ノートPC市場では、「NVIDIA」と「AMD」と「Intel」の3社が残りました。とはいえ、市場シェアではGPU設計に特化した「NVIDIA」が他を圧倒しており、性能は劣るが「安さが売り」のCPUとGPUの設計に特化した「AMD」。そして単体のグラフィックボード製品では影が薄いが、CPU内蔵グラフィックという「業務用・必要最小限の性能」の分野で生きているCPUとGPUの設計と製造を行う「Intel」という状況。、スマホ市場で高いシェアを得ている「Qualcomm」も、スマホ向けCPU「Snapdragon」に組み込むGPU「Adreno」を改良してCPUとGUPをセットにしてPC市場の開拓に乗り出していますが、元がモバイル向けで性能より省電力に特化している分、現状では苦戦している模様。

3大メーカーの状況。「NVIDIA」の大きな強みは、自社のGPUを活用するためのソフト開発環境を広く普及させることに注力して来た点。特に最近ブームとなっている「AI」分野において、開発者が使用するソフトの多くが「NVIDIA」製GPUに対応していることで爆発的にヒットし、利益の大半をAI向け製品が稼いでいるらしい。しかし「AI」分野が好調な反面、PC向けGPU方面では評判が急落し始めている。前世代「RTX40xx」シリーズから採用されたGPU補助電源コネクタ「12VHPWR」規格では、コネクタ周辺の電力供給に問題が発生、熱による発火や溶解などの報告が数多く報告され、その後「12V-2×6」規格にアップデートされたものの、根本的な解決策とはなっていません。加えて最新「RTX50xx」シリーズでは、対応するグラフィックドライバーをインストールすることで、数々の不具合が発生するとの苦情が相次ぎ、矢継ぎ早にバグフィックス対応をしているものの、現在でもバグは解消されていないとの話。 さらにGUPの出荷数の少なさも、購入希望者からの不満を増大させています。好調な「AI」分野に生産リソースを多く振り分けているという噂もあり、異常なまでに価格が釣り上がってしまい「MSRP(メーカー希望小売価格)」という概念が崩壊している状況・・・。

単体のGPU製品を投入するもシェアが伸びない「Intel」。久しく単体のGPU製品を発売しなかった「Intel」ですが、2022年になって「Arc A」シリーズを発表。その後、第二弾となる「Arc B」シリーズも発売されましたが、グラフィックドライバーの最適化は進んでおらず、ハードの性能はマズマズと思われるものの、実際のゲーム等では十分なパフォーマンスを発揮できていません。後続シリーズの開発も続けるようなので、購入候補として考えるのは当分先になりそうです・・・。

地味に進歩して評価が上がってきた「AMD」。「NVIDIA」に性能やグラフィックドライバーの完成度で劣っていた分、価格を抑えてコスパを売りにしてきた「AMD」ですが、少しずつ欠点が改善され、コスパに一層の磨きがかかって来た様子。ここ最近は、ハイエンド市場から1歩引いてミドルレンジ以下の製品に的を絞っていますが、その分、技術的に過度な無理をせず手堅いモノ作りをしているイメージがあります。最近の「NVIDIA」が信頼を低下させた結果、相対的な評価が上がっている。付け加えるべき点として、ゲーム機である「PS4」「PS5」や「Xbox Series X」に「AMD」製GPUが採用されているコトも大きい。これまでゲームソフトは「NVIDIA」GPUに最適化される場合が多かったが、最近はコンソール機とPCゲーム版の垣根が無くなって来た分、「AMD」GPUに最適化されるケースが増えてくると思われる。個人的に「AMD」に期待してます。

GPU要求スペックの現状とこれから

少し前に、PCゲーム販売プラットフォームとして有名な「Steam」において、最新の調査内容が公開されました。

SteamのHP、Steamハードウェア&ソフトウェア 調査: April 2025

その中の「Video Card Description」項目を見ると、グラフィックボードの使用率ランキングが出ていますが、ゲーマーだからといってスペックの高いGPUを使用している人ばかりでないことが分かります。4~5年以上前のGPUだったり、CPU内蔵のグラボを使用している人も一定数以上は存在します。しかし、近年発売されるAAAタイトル等の注目作品は要求スペックが高い場合が多くなっています。

YouTubeの「PAD : PC Watch & AKIBA PC Hotline! plus DVPR」のチャンネル、実機検証で16GB版との価格差問題に解答。「GeForce RTX 5060 Ti 8GB版」の真価を問う

グラフィックを描画するトレンドとして、AIを駆使した予測変換などによって、画像の解像度をアップしたり、画像と画像の間にある絵を補完してフレームレートを上げたりする技術の競争が盛んです。そうなると、どうしても演算に必要なデータ量が増えるので、ビデオメモリの必要量も増大します。今までは「VRAMは8GBあれば十分」でしたが、これからは「VRAM8GBではゲームの最低スペックすら満たせない」可能性が高くなって来ました。最低でも、コンソール機である「PS5」を超えることを基準としてGPUを購入する必要があると思います。これからグラフィックボードを購入するなら、少なくとも「AMD RX7600XT VRAM16GB」以上のスペックを備えたGPUを選んだ方が良いでしょう。2~3万円出せば十分なスペックを備えたGPUが買えていた時代は、もう過去の話に・・・。

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