デスクトップパソコンの電源スイッチを延長する商品を実際に購入してレビューします。
商品を購入するきっかけ
Impress Watchの記事で、マウス、デスクトップPCに「外付け電源スイッチ」を読んだのがキッカケです。
この記事を読むまで「電源スイッチを外付けにする」という発想がなかったので興味を持ちました。 私の使用しているPCはテレビをディスプレイとして使用しており、いつも座っている椅子から少し離れた場所にあるので、PCの電源を入れるのには席を立つ必要があって面倒に感じていたからです。
レビューする商品
今回購入したのは、類似商品の中でも安価でシンプルに「電源スイッチ外付け&延長」という機能だけを備えた製品である「NUYSPデスクトップpcケース電源ボタン」という商品です。
類似品には電源スイッチだけで無く「USB端子」も一緒に延長する商品が多いですが、USB端子は作りが雑だと故障やトラブルの元になる場合があるので、そういった商品は避けました。
この商品が使用可能なのはデスクトップパソコンだけです。ノートパソコンでは使用できません。また、メーカー製のデスクトップPCでは使用できない可能性があります。基本的には自作PC用の製品だと思われます。
付属品など
この商品に付属するのは下記の物になります。
- 製品本体(電源ボタン・延長ケーブル・接続コネクタの一体型)
- Y型ケーブル(接続端子の2分岐用)
- 両面テープ(電源ボタン固定用)
- 簡易説明書
必要最低限の部品だけが付属しています。人によってはパソコン背面のI/Oスロットからケーブルを出すために「穴付の拡張スロットカバー」が必要になる場合もあると思いますが、私の環境では不要でした。
商品本体は思った以上にコンパクトなサイズです。電源ボタンは普通のキーボードの部品を転用していると思われる小型サイズで、押した感触はごく軽い感じです。PCの電源を入れると電源ボタンの中央部のスキマが光る構造(POWER LED端子を接続した場合のみ)になっています。
「POWER LED」コネクタを接続しなくても外付け電源ボタンの動作に問題はありません。LEDを発光させるためだけに必要なものです。
取り付け方法
商品本体の接続コネクタ(POWER SWと書いてある物)をパソコン内部のマザーボード上にある電源端子に接続する必要があります。自作PCを組み立てたことがある人なら、商品本体の接続コネクタ部分を見るだけで取り付け方に察しが付くでしょう。簡易説明書の内容は、そういう「分かっている人向け」にしか書かれていないので、自作PC未経験者にはハードルが高めになっています。
マザーボードの電源端子の位置ですが、マザーボードの説明書の「フロントパネルコネクタ(またはシステムパネルコネクタ)」という項目に書いてあります。マザーボードによって端子の配列(20-8ピン、10-1ピンなど)や刺す場所が違う場合があるので、必ず正しい位置を確認してから作業して下さい。
電源ボタンを接続する端子は2本ありますが、電源の場合は+-の極性は関係ありませんので、刺す向きはどちらでもOKです。 ただし「POWEWR LED」を接続する場合には+-の極性がありますので注意して下さい。(私は後述する理由から「POWER LED」は未接続)
蛇足ですが、私の使用しているマザーボード「ASUS PRIME Z370-A」は、フロントパネルコネクタの接続を簡単にするアタッチメント(Q-Connector)のような部品が付属していて、つなぎ間違いが緩和されて非常に便利です。
取り付け時の補足
マザーボードの電源端子には、すでにケーブルが接続されていると思います。それはパソコンケースの電源ボタンに繋がっているケーブルですので、外してしまうとパソコンケースの電源ボタンが使用不能になってしまいます。
今回取り付ける外付け電源ボタンとケースの電源ボタン両方を使えるようにするには、マザーボード側の端子に、商品に付属する「Y型ケーブル」を接続すればOKです。「Y型ケーブル」経由で2つの電源ボタンのコネクタを両方とも接続すれば、両方のボタンが使用可能となります。
私は今回、外付け電源スイッチの「POWER LED」コネクタは使用しませんでした。このコネクタを使用して外付け電源スイッチを光らせるようにすると、パソコンケースの電源ランプが光らなくなるからです。
パソコンケースと外付け電源スイッチのどちらの電源ランプを光らせるか、または「Y型ケーブル」を別途購入して両方光らせる(未検証ですが、おそらく可能)かは好みの問題です。「POWER LED」コネクタを接続しなくても外付け電源ボタンの動作に問題はありません。LEDを発光させるためだけに必要なものです。
E-outstanding 4個 2ピン シングルメスからデュアルオスジャンパースプリッター
「Y型ケーブル」を単品販売していないか探しましたが、4本セット販売しか見つかりませんでした。値段も割高でコスパが悪いので、延長した電源ボタンのLEDを光らせるのは止めました。
ケーブルを外に出すには
マザーボードと接続したケーブルをパソコンケースの外に出すには、穴の大きさが「直径5mm」以上は必要です。ケーブル自体はもっと細いですが、大きさが5mm程度ある「電源コネクタ」を通すために必要な大きさです。
私の場合、ケースの排気口が「直径6mm」程度の大きさだったので、問題なく外にケーブルを出せましたが、人によってはパソコン背面のI/Oスロットからケーブルを出すために「穴付の拡張スロットカバー」が必要になる場合もあると思います。
ご自身のパソコンケースをチェックして「穴付の拡張スロットカバー」が必要な場合は、付属品に「穴付の拡張スロットカバー」が含まれている商品を購入して下さい。
長尾製作所 SS-NPCIK-B [フルハイト用 穴付スロットカバー 1枚入り 黒]
長尾製作所 SS-NPCIK-LPB [ロープロファイル用 穴付スロットカバー 1枚入 黒]
加えて補足ですが私の場合、ケーブルを引っ張りすぎて断線しないように、ケーブルにビニールテープを巻き付けてあります。ケーブルは細くて耐久性は期待できないので、デリケートに扱った方が良いと思います。
ケーブルを底面から出す
マザーボードと接続したケーブルをパソコンケースの外に出すには、穴の大きさが「直径5mm」以上は必要です。ケーブル自体はもっと細いですが、大きさが5mm程度ある「電源コネクタ」を通すために必要な大きさです。
多くのPCケースは底面に電源ユニットを装着すると思います。当然、吸気用のスリット等があるので、それを利用してケーブルを通すことも可能だと思います。
上記の画像は、私のPCケースを上下逆さまにして撮影しています。このPCケースは前面にケーブルを通す穴が無いですが、底面の給気口の穴にケーブルを通すことで、ケース前面にケーブルを出すことが可能になりました。
延長ケーブルの長さに注意
私が今回購入した「NUYSPデスクトップpcケース電源ボタン」はケーブルの長さが「約2メートル」ですが、これはパソコン内部に接続する分も含んでの長さです。実際に延長できる長さはもっと短くなります。
私の場合、パソコンケース背面から延長できる長さは「160cm位」でした。事前にご自身の環境でどれ位の長さが必要なのか検証しておかないと、長さが足りなくなる場合があるでしょう。
リモコン操作できる商品もある
私が調べた限りでは、有線で電源スイッチを延長できる商品のケーブル長は、2メートルが最長でした。それ以上の距離を延長するには、無線接続の電源スイッチの商品を購入するという選択肢があります。
エアリア LAZY Switch パソコン電源 ワイヤレス化キット
この商品は、電源を「PCIExpress」から得て動くタイプの機器になります。「PCIExpress」に空きが必要なだけでなく、マザーボードが電源OFFの時に「PCIExpress」への電力を供給できないと使えないので要注意です。
また私はこの商品を使用したことがなく、ネット上の情報しかチェックしていないので、詳細については知識がありません。実際の使用感については評価できませんのでご了承ください。
使用した感想
電源ボタンを少しだけ延長できる商品なので、それでOKかどうかで評価が分かれる商品だと思います。
私の場合、それなりに便利になりましたが、あともう1メートル延長できていれば大満足なのに・・・と少し残念に感じました。しかし安易に延長し過ぎると、電力不足やノイズなどの予期しない原因で誤動作する可能性も増すでしょうし、ケーブル長は2メートルが限界なのかもしれません。とはいえ、コスパ的には値段なりの利便性は十分に満たしていると思えます。
取り付けてから5ヶ月ほど経ちましたが、今のところ故障も無くそれなりに便利に使い続けています。電源スイッチの位置に不満がある人にとっては、購入する価値のある商品だと思います。
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