フリーランス(個人事業主)になったばかりの人にお勧めの「青色申告ソフト(会計ソフトとも言う)」について。私の経験から考えた最適なソフトを、理由も含めて紹介します。
お勧めの前提条件
前提条件として初心者フリーランスの方にまず考えて欲しいのは、下記のような点です。
- 売上をコンスタントに稼ぐ見通しがあるか?
- どれ位の売上を見込んでいるのか?
- 会計処理を行う時間の余裕はありそうか?
- 従業員を雇用するつもりか?
売上額が所得税の免除額を大きく超える見通しがあったり、仕事が忙しくなりそうで会計処理に割く時間が無い、ましてや複数の従業員を雇って本格的な事業を経営される方は、まず会計事務所との契約を考えるべきです。この記事は役に立ちません。
それ以外の方なら、経費を節約して「自分でできる事は自分でやる」が基本になると思います。この記事は、そんな方に向けた内容となっています。ですので、経理に関する基礎知識の学習は必須となります。
気が進まないかもしれませんが、経理の基礎知識はフリーランスを続けるには必要なものです。確定申告を会計事務所と契約して代行して貰うにしろ、取引先との「契約報酬の受領方法」や「経費の領収書管理」にしても、最低限の経理知識は覚えて法令遵守する必要があります(会計事務所と契約すれば、分からない所を指導やアドバイスして貰えるのがメリット。決して自分が無知で済むワケでは無い)。 ご自身で青色申告(または経理)に関する書籍を購入するなりネット上の記事を調べるなりして、少しだけでも事前学習をするのをオススメします。
まず会計事務所と契約した方が良いケースも
初心者フリーランスの方の中には、自分でバリバリ稼ぐ見通しが立ってから、満を持してフリーランスになった人も居るでしょう。そんな方は、経費節約よりは節税が気になるハズです。
節税が心配になるような方は、まず自分に合った会計事務所を探すべきです。会計事務所との契約費は必要経費として計上できますので、面倒なことはお金で人に任せて自分にしか出来ない事に集中したほうが良いです。
会計処理や会計ソフトの細かい話については、会計事務所と相談してから決めたほうが早いと思います。会計事務所によっては「(うちの事務所では)このソフトが慣れているので指導し易い」とか「このソフトはお勧めしない」といったケースもあるので、会計事務所と契約する気があるなら、そちらを優先するべきです。これ以下の内容は、あまり役に立ちません。
オススメの青色申告ソフトはこれ!!
ズバリお勧めは「やよいの青色申告 オンライン」の「セルフプラン」です。「やよいの青色申告 オンライン」の2023年2月15日時点での料金と主なサービス内容は下記の通りです。
この料金プランは「2023年2月17日時点」での料金内容です。最新の情報は下の画像リンクから弥生会計のホームページで確認して下さい。(リンクから飛んで契約して貰えると、とても嬉しいです)
お勧めするセルフプランの初年度0円というのは、かなり良心的だと思います。申込時の契約では次年度以降も自動更新すること(自動更新の決済方法として、口座振替またはクレジットカード情報の登録が必要)になっていますが、更新前に案内メールが届くことになっていて、継続利用したくなければ「契約終了月の前月末日までにキャンセル可能」になっています。
蛇足ですが、記事を書いている私自身も、この「セルフプラン」を今年の2月から契約しています。実際にソフトを使用して、令和4年度の確定申告を2月16日に済ませました。
これ以下の内容は、上記プランをオススメする詳細な理由を解説しています。
契約をされる際は、この記事の内容や弥生会計のホームページの内容を詳しく検討されてから決断することをお勧めします。
もしお勧めするプランを契約することで不利益が発生した場合でも、当サイトが責任を負うことはできませんので、予めご了承ください。
個人事業主が使う会計ソフトのシェア
2022年から2023年の3月時点での個人事業主が使う会計ソフトのシェアに関する記事が公開され、1位は「弥生会計オンライン」でした。
ITmedia NEWSの記事、個人事業主に聞く「クラウド会計ソフト、何使ってる?」 マネフォ・freee抑えた一番人気は
個人事業主はどんなクラウド会計ソフトを使っているのか──MM総研は4月25日、こんな調査結果を発表した。最も多かったのは弥生の「やよいの青色申告 オンライン」「やよいの白色申告 オンライン」(52.8%)だった。
ITmedia NEWSの記事、個人事業主に聞く「クラウド会計ソフト、何使ってる?」 マネフォ・freee抑えた一番人気は
2023年(令和5年)分の確定申告を実施した個人事業主を対象に、3月15日夜~19日にウェブアンケートで実施した会計ソフトのシェアに関する記事が公開され、1位は「弥生会計オンライン」でした。
INTERNET WATCHの記事、個人事業主の「会計ソフト非利用者」が間もなく半数を切る見通し~MM総研調査
やはり「弥生」を選んでおけば間違いないでしょう。
白色申告か青色申告か?
確定申告には「白色申告」と「青色申告」がありますが、これは青色申告の1択と断言しても差し支えないです。
白色申告は青色申告のような「複式簿記」による65万円の「特別控除」がありませんし、赤字を3年繰り越せる「繰越控除」も利用できません。加えて、自宅を仕事場にしている場合に家賃や光熱費の1部を経費として計上する「家事按分」も利用できないなど、何も特典がありません。
白色申告に必要な帳簿内容が簡単といっても、帳簿管理に付随する各種書類(領収書・レシート・納品書・請求書など)を管理する手間は変わらないでしょうし、白色申告はメリットよりデメリットが大きいのは明らかです。
青色申告をするには、所得税の青色申告承認申請書を所轄の税務署に提出しておく必要があり、申請書を原則として開業日から2か月以内に提出することになっています。それを過ぎても提出はできますが、青色申告は翌年度からになります。
白色申告をする場合は、青色申告承認申請書の提出が間に合わなかった(または必要だと知らなかった)時に、仕方なく行うケースが多いのではないでしょうか?
青色申告ソフトは多いが、有名ソフトから選ぶべき
青色申告ソフト(会計ソフトとも言う)は数多くの種類があり、代表的なものだけでも10種類を超えます。だからといって、手当たり次第に全部のソフトを詳細に調べる必要はありません。有名なソフトだけに絞って選ぶべきです。その理由は下記の通りです。
- 過去の実績があるから有名になった
- 実績があるからユーザー数が多い
- ユーザー数が多いと色々な面で安心
有名ソフトなら余計な心配がありません。ソフトの機能に不備がないことは過去の実績から実証済みですし、ユーザー数が多ければソフト提供元の経営が安定するので、継続的なサポートに期待できます。
マイナーなソフトを選んで余計なリスクを抱える意味はありません。税務署に提出する書類を作成するソフトに最も大事なのは「無難さ」です。そんな有名ソフトとして候補になるのが、次の3つのソフト会社です。
- 弥生
- freee
- マネーフォワード
蛇足ですが、複数の従業員を雇用して本格的な事業を行うようなケースになると、「青色申告ソフト」というよりも本格的な「会計ソフト(または給与や見積もりや請求ソフト等々)」が必要になり、青色申告の範疇を超えてしまいます。そういう場合は、会計事務所と契約して相談すべきです。
ソフトはインストール型よりクラウド型
ソフトには、特定のパソコンでだけ使える「インストール型」とインターネット環境があれば複数のパソコンで使用できる「クラウド型」がありますが、私はクラウド型をお勧めします。
クラウド型をお勧めする主な理由は下記の通りです。
- ソフトの初期購入の費用がかからない
- ソフトのインストールや更新が不要
- 複数のパソコン(スマホが使える場合あり)から利用できる
- 複数のパソコンで使用してもデータは常に最新に保たれる
インストール形式のソフトだと、初期費用の負担やソフトをパソコンにインストールしたりソフトが更新される度に最新版にアップデートする手間がかかりますし、場合によってはインストールやアップデートで不具合が発生するケースもあります。 ただクラウド型だと、データがハッキングされて流出する危険性はゼロでは無いので、その点はインストール型の利点と言えます。(自分のPCがハッキングされるリスクもあるのでインストール型なら安全とは言えませんが、クラウド型の方が狙われる可能性が高いだろうと思われます)
インストール型でも複数のパソコンにインストールして使用することはできる(ソフトによって台数制限に違いあり)場合がありますが、どのパソコンのデータが正しいのかを管理する手間が必要です。またデータのバックアップを定期的に行っておかないと、万が一パソコンに不具合が発生した時に、データが失われる危険性があります。
また、今までクラウド型のソフトでデータ流出が発生したというニュースをほとんど目にしたことがありません。そんなトラブルを起こせば信用を失うのは目に見えているので、各社ともセキュリティー対策を十分に実施しているハズです。
ただ、クラウドソフトは正規の手順(IDやパソワード認証など)を行えば、誰でもどの場所からでも使えてしまうので、ご自分のIDやパスワード等を漏洩してしまわないように注意する必要があります。2要素認証が使用可能なソフトなら設定しておくのがオススメです。
料金プランを選ぶ上でのポイント
「機能」と「付加サービス」という2点に注目が必要です。
機能についてはソフト名に「青色申告」があればOKです。青色申告を売りにしていて機能不足があるようでは有名にはなりませんし、別の機能が強化されていればソフト名も「〇〇給与」とか「〇〇会計」とか別の名称になります。付加機能が多ければ料金も高くなるので、青色申告がメインの場合には不要ですし、使い方も複雑になります。
付加サービスについては、主に不明点のサポートがメインだと思いますが、私は余計なサポートは不要だと考えます。確かに分からない事を聞けるのは安心ですが、ほとんどのケースはネットで調べれば解決します。ソフトの使い方については、有名ソフトならヘルプが充実しているハズですし、使っている間に自然と慣れてくるものです。経理に関する知識については「自分が悩むような事は、他の皆も悩んでるもの」ですので、だれかが記事として残してくれています。Web上の記事を検索して、ありがたく参考にさせて貰いましょう。
また疑問点は1年間を過ぎるとほとんど無くなるのではないでしょうか? ある程度のケースを経験してしまえば、例え忘れても過去の入力データを振り返れば思い出せるハズです。慣れてしまえばサポートは基本的に不要になってくるでしょう。
不要な料金は払わないで済むに越したことはありません。それと、疑問点を(確定申告の直前になって調べればいいやと)後回しにするのはオススメしません。後になってからでは、余計な手間が増えたり取り返しがつかないケースがあるかもしれません。先延ばしはリスクと考えて、早め早めに調べるクセを付けておくのがオススメです。
自分1人でデータ入力を行う時の注意点
蛇足情報かもしれませんが、私の失敗談を紹介しておきます。
データ入力を自分だけで行っていると、間違いに気が付きにくいので要注意です。私は「貸方」「借方」の入力方法をミスしていて、あともう少しで間違ったまま提出する所でした。「事業主貸」と「事業主借」の入力をする時に、貸し借りの方向が逆になるのをキチンと理解できておらず、貸し借りの収支がプラマイゼロになるハズのところが、損益が倍になっていました。
私の場合は財布の中身を個人と事業で完全分離していないので、正確には自分の生活費として個人の財布へ移す額が多くなるので、差額が出ても気が付き難い・・・。1度は間違ったまま「確定申告書」の作成処理を完了させていましたが、たまたま受付開始前だったので、何となく「焦ることはない」と直ぐには提出をしませんでした(開始前でも提出しようと思えば出来る)。 で、改めて提出する時に「念のため再確認しておこう」と見直しをしている時に収支の額に違和感を覚え、そこでやっと間違いに気が付いて、慌てて修正しました。
あの時、再確認を怠っていたらと思うと怖い・・・。皆さんも、くれぐれもお気をつけください。
「やよいの青色申告 オンライン」をオススメする理由
有名なソフト会社として「弥生」「freee」「マネーフォワード」の3つがありますが、私がその中でも「やよいの青色申告 オンライン」の「セルフプラン」をお勧めする理由は、付加サポート無しのプランである点と料金が最安である点の2点です。
3社とも複数の料金プランがありますが、「freee」「マネーフォワード」はチャットやメールなど、(無料だったり上位プランの特典だったりと)どのプランを選択しても何かしらの付加サポートが必ず付いてきます。
無料のサービスならお得じゃないかと思うかもしれませんが、そういったサービスには必ず人件費が必要になるので、結果として弥生の「セルフプラン」より割高な料金になっています。「料金プランを選ぶ上でのポイント」でも書きましたが、サポートは基本的には不要なものなので、そのサポートを削って値段を下げている「セルフプラン」が1番お得だと言えるのです。
そんな訳で、初心者フリーランスが選ぶべき青色申告ソフトは「やよいの青色申告 オンライン」の「セルフプラン」です。もし記事の内容に納得してもらえるなら、下記のリンクから飛んで契約して貰えると、とても嬉しいです。
カスタマーセンターへの電話が混雑(確定申告の期間中)
2024年03月10日確認。2024年03月04日にUPされた情報によると、弥生製品カスタマーセンターへの電話が混雑しているようです。下記に「お知らせ」へのリンク(新しいタブで開く設定にしてます)と本文の内容を1部引用します。この混雑は確定申告期間限定と思われます。
カスタマーセンターへのお電話が大変つながりにくい状況です(2024年3月)
日頃は弥生製品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
確定申告に関するお問い合わせ集中の影響により、現在カスタマーセンターへのお電話が大変つながりにくい状況です。
お客さまへはご不便、ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございません。
お急ぎのところを大変恐れ入りますが、確定申告以外のお問い合わせは「3月18日以降」におかけいただく、またはメールでのお問い合わせに切り替えをお願いいたします。
なお、下記Webページにこの時期多くいただくお問い合わせを掲載しています。お問い合わせの前にご確認いただきますようお願いいたします。
上記リンクは「よくあるご質問」ページへのリンクです。確定申告の時期はサポートが大混雑するので、問い合わせをして回答を得るのが難しくなってしまうようです。ご注意下さい。
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